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この記事の要点
- 学年をまたいで戻れる無学年式のオンライン教材
- 国語・数学・英語・理科・社会の5教科に対応
- 不登校で授業から離れた期間が長い子でも使える
- 出席扱いは教材だけで決まらず、在籍校の校長が判断する
- 自分で起動できない子は、親の伴走を前提に設計する
「学校に行けない日が続いて、もう何か月も授業から離れている」「発達特性があって、みんなと同じペースで学ぶのが難しい」「家でドリルを買ってもまったく開かない」——そんなお子さまを見守りながら、「勉強、どんどん遅れていくな」と胸の奥がざわつく瞬間はありませんか。
児童思春期精神科の病棟で働いていて感じるのは、「勉強が遅れていること」そのものより、「みんなより遅れている自分はダメだ」という自己評価の下がり方のほうが、お子さまの心を深く傷つけるということです。学力は取り戻せますが、自己評価のダメージは取り戻すのに時間がかかります。
この記事では、家庭学習の選択肢のひとつであるオンライン教材「すらら」を、看護師の視点から整理します。私自身はすららの利用者ではありませんので、公開情報と現場で見てきたことをもとに、向き・不向きを率直にお伝えします。使ってみた感想ではなく、「検討する前に知っておきたいこと」としてお読みください。
不登校の子が学習でつまずく3つの理由
① 休んでいる間に進んだ授業に戻れない
不登校が数週間を超えると、授業は先に進みます。本人が「戻りたい」と思ったときには、もう追いつけない差ができている。この絶望感が、再び家へ引き戻します。学年の枠を外して戻れる仕組みが必要になるのは、このためです。
② 「分からない」と言えない
多くのお子さまは、分からない状態を人に見られることを強く嫌がります。とくに思春期は、恥ずかしさが学習意欲より優先されます。誰にも見られずに前の学年へ戻れる環境は、この壁を下げます。
③ 特性と学習方法が合っていない
読むのが苦手、聞くのが苦手、板書が追えない。特性と方法が噛み合っていないだけで「勉強ができない子」として扱われてきたお子さまは少なくありません。方法を変えると急に進みだすことがあります。
すららとは|5つの特徴
公開情報をもとに、主な特徴を5つに整理します。
- 無学年式の対話型アニメ授業——学年に縛られず、遡りも先取りも自由。アニメキャラクターが対話形式で進める設計
- 5教科に対応——国語・数学(算数)・英語・理科・社会。単一教科特化型と違い、まとめて進めたい家庭向き
- 発達特性への配慮設計——専門家監修のもとで、視覚・聴覚・操作性に配慮した作りになっている
- 出席扱いの対応実績——学習記録を出力でき、学校との連携に使える
- すららコーチ——学習計画づくりを支援するスタッフが付く。完全な自学ではなく伴走者がいる
この中で、他のオンライン教材との差がいちばん大きいのは無学年式とコーチの組み合わせです。戻れる仕組みがあっても、どこまで戻るかを自分で決められる子は多くありません。そこを一緒に決めてくれる人がいるかどうかで、続き方が変わります。
向いている子・向いていない子
| 状況 | 向き・不向き |
|---|---|
| 授業から離れた期間が長く、どこから戻るか分からない | ◎ 無学年式が生きる |
| 外に出るのが難しい時期 | ◎ オンライン完結で使える |
| 複数教科をまとめて進めたい | ◎ 5教科対応 |
| 出席扱いを学校と相談したい | ○ 記録を出せるが、可否は学校判断 |
| 1教科だけ深く伸ばしたい | △ 教科特化型のほうが向く |
| 受験対策が主目的 | △ 基礎は使えるが、対策は専門塾が手厚い |
| 人と対面で関わるほうが動ける | × 家庭教師・個別指導を検討 |
| 画面を見ること自体がつらい | × 紙教材や対面のほうが合う |
もう一つ、契約前に見ておきたいのが「自分で起動できるか」です。教材の質が高くても、タブレットを開く動作が本人から出ないなら、親御さんの伴走が前提になります。ここを見込まずに契約すると、「せっかく払っているのに」という言葉が家庭に生まれ、関係が悪くなります。伴走が難しいご家庭なら、対面で人が来る形のほうが現実的です。
出席扱い・学校との連携
自宅でのICT学習が出席扱いになる仕組みは、文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日)の別記2に整理されています。主な要件は次のとおりです。
- 保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること
- ICT(インターネット・遠隔教育システム等)や郵送・FAXなどを活用した学習活動であること
- 訪問等による対面指導が適切に行われることを前提とすること
- 理解の程度を踏まえた計画的な学習プログラムであること
- 校長が対面指導や学習活動の状況を十分に把握すること
- 学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けられないような場合に行う学習活動であること
- 成果を評価に反映する場合は、学校の教育課程に照らし適切と判断されること
太字にした要件は見落とされがちです。教育支援センター(適応指導教室)などに通える状況であれば、そちらが優先される建て付けになっています。また「対面指導が前提」とあるとおり、教材だけで完結する話ではありません。担任の家庭訪問やスクールカウンセラーとの面談が、この対面指導にあたることが多いです。
そして最終判断は校長です。同じ教材でも、A校では認められ、B校では認められないことがあります。契約してから相談するのではなく、先に担任へ「自宅学習を出席扱いとして相談できますか」と聞くほうが順序として安全です。
そのうえで看護師として付け加えると、出席扱いは目的ではなく手段です。日数を確保するために本人が消耗するなら、順序が逆になっています。
料金・利用の流れ
すららは月額制で、契約する教科数によって料金が変わります。最新の金額は公式サイトでご確認ください。確認の際は、月額のほかに入会金・最低契約期間・解約の連絡期限を必ず聞いておいてください。合わなかったときに動けるかどうかが、ここで決まります。
流れとしては、資料請求 → 無料体験 → 契約の判断 → コーチによる学習計画づくり → 学習開始、という順です。資料請求から契約まで1〜2週間かけて構いません。本人が体験で何と言ったかを、いちばんの材料にしてください。
本人にどう伝えるか
導入時の伝え方で、その後の続き方がかなり変わります。「これからすららで勉強するからね」と決定事項として告げると、抵抗が強くなります。
現場でよく勧めるのは、「家で自分のペースで学べるものがあるんだけど、見てみる?」と提案の形で切り出すことです。興味を示したら一緒に資料を見て、体験を申し込む。示さなければ「もしいつかね」と引く。ここで押し切ると、教材そのものが嫌な記憶と結びついてしまいます。
もう一つ大事なのは、「学校に戻るための道具」として位置づけないことです。復帰の手段だと伝わると、本人には期限付きの課題に見えます。「分からないところを誰にも見られずにやり直せる場所」として伝えるほうが、抵抗が下がります。
停滞したときの対処
始めて1〜3か月で、たいてい一度は止まります。これは失敗ではなく、想定内の経過です。
- まず停滞を許容する——1〜2週間は待つ。「サボっている」と解釈しない
- コーチに相談する——難易度、教科、進度のどれが合っていないかを一緒に見てもらう
- 時間を短く区切り直す——1日30分が重いなら10分に。再開のハードルを下げる
- 止め時も検討する——3か月動かないなら、教材ではなく時期の問題かもしれない
「合わなかった」と判断して解約するのも、本人を守る立派な選択です。契約を続けること自体が目的になっていないか、ときどき点検してください。
親が陥りがちな失敗パターン
| やりがちなこと | 置き換えるなら |
|---|---|
| 契約したので安心して任せきる | 週1回、様子を聞く時間だけは作る |
| 「今日は何時間?」と毎日確認する | 確認は週1回。日々は聞かない |
| 1〜2か月で成果を判断する | 3〜6か月のスパンで見る |
| 他の子と比べる | 先月の本人と比べる |
| 学校復帰をゴールに設定する | 本人が学び直せることをゴールにする |
いちばん多いのは2行目です。費用が発生している以上、進み具合を知りたくなるのは自然な気持ちですが、毎日の確認は本人には監視として届きます。聞く回数を減らすほうが、結果的に進みます。
他の教材との比較
| 選択肢 | 強み | 向く場面 |
|---|---|---|
| すらら | 無学年式・5教科・出席扱い対応 | 離れた期間が長く、まとめて戻したい |
| RISU算数 | 算数特化・無学年式 | 算数のつまずきが中心 |
| 家庭教師 | 対面・その場で調整 | 自分では起動できない |
| オンラインフリースクール | 居場所・仲間とのつながり | 学習より先に、人との接点が必要 |
「不登校・発達特性への配慮+全教科+出席扱いの記録」をまとめて求めるなら、すららは候補に入ります。一方、学習の前に気持ちの回復が必要な段階なら、教材より居場所のほうが先です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 不登校の期間が長くても使えますか?
使えます。無学年式なので、現在の理解度に合わせて始められます。中学生が小学校の単元から戻ることも可能です。戻ること自体を恥ずかしがるお子さまには、「誰にも見られない」点を先に伝えてください。
Q2. 発達障害の診断がなくても使えますか?
診断の有無は問われません。「集中が続かない」「読み書きが苦手」など、家庭での困りごとを具体的に伝えると、その範囲で配慮した計画を立ててもらえます。
Q3. 出席扱いになる確証はありますか?
ありません。最終判断は校長です。記録の提出などの準備は整えられますが、可否は学校ごとに異なります。契約前に担任へ相談してください。
Q4. 1日どれくらい学習すればよいですか?
目安は低学年で20分、高学年で30分、中高生で45〜60分です。ただしこれは調子が戻ってからの数字で、再開直後は10分でも十分です。長さより、続く形かどうかを優先してください。
Q5. きょうだいで同じアカウントを使えますか?
1契約1アカウントが基本で、共有はできません。進度や苦手分野を個別に管理する仕組みのためです。割引の有無は公式サイトで確認してください。
Q6. 解約はしやすいですか?
最低契約期間や連絡期限が設定されている場合があります。契約前に条件を確認し、可能なら書面で残しておいてください。ここを確認しておくと、合わなかったときに気持ちよく引けます。
Q7. 親はどこまで関わればよいですか?
採点者にならず、進度を細かく追わず、ねぎらいに徹する——これが基本です。コーチとの連絡窓口は親が担い、学習の中身は本人とコーチに任せる距離感が続きやすいです。
看護師視点でのまとめ
すららは、「授業から離れた期間が長く、どこから戻ればいいか分からない」お子さまに向いた設計です。戻れる仕組みと、戻る場所を一緒に決めてくれる人がいることが、この教材の中心にあります。
一方で、教材が学習意欲そのものを作り出すわけではありません。まだ休息が必要な時期なら、契約より先に休むことが必要です。順序を間違えると、「これも続かなかった」という失敗体験が一つ増えるだけになります。
本人に少し余力が戻り、「勉強のことが気になり始めた」——その言葉が出たときが、検討のタイミングです。迷う段階なら、資料請求と体験までで一度止めて構いません。
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今夜これだけ
今夜は教材を探す前に、お子さんが「どの学年のどこで止まっているか」を、責めずに一つだけ思い出してみてください。戻る場所が決まると、選ぶものも決まります。
参考にした公的情報・一次情報
記事内の制度・相談先・健康情報・サービス情報は、以下を2026年8月15日に確認しています。料金・特典・提供条件は変更されることがあるため、利用前にリンク先の最新情報もご確認ください。
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著者プロフィール
星野レン(ほしの れん)
2018年4月から看護師として勤務(2か月のブランクあり)。2021年4月から児童思春期精神科病棟に携わっています。不登校・発達障害・思春期のメンタル不調を抱えたお子さまとご家族のケアに従事。
免責事項
- 本記事は公開情報をもとに作成しています。料金・プラン・キャンペーン・サービス内容は予告なく変更される場合があるため、お申し込み前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
- 筆者はすららの利用者ではありません。本記事は公開情報と、児童思春期精神科での臨床経験に基づく見解です。
- 出席扱いの可否や支援制度の運用は、学校・自治体ごとに判断基準が異なります。在籍校の担任・校長・スクールカウンセラー、地域の教育委員会等にご相談ください。
- 本記事は、特定の疾患の診断・治療・予防を目的としたものではありません。個別の学習困難や発達特性に関するご相談は、医療機関・教育相談窓口・発達支援センター等の専門機関にご相談ください。
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※本記事の料金・プラン内容は2026年8月時点で公式サイトが公開している情報をもとにしています。条件は変更されることがあるため、お申し込み前に必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。


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