この記事の要点
- ODの多くは「死ぬため」ではなく「感情を止めるため」に起きる
- ただし「死ぬ気はなかった」=「安全」ではない
- 「そんなこと言わないで」は、次から打ち明けられなくなる言葉
- 意識低下・呼吸異常があれば迷わず119。迷う段階では#7119や中毒110番へ
- 家庭の薬は「隠す」のではなく「日常的に管理する」
※本記事は児童思春期精神科での臨床経験をもとにした一看護師の視点です。個人が特定できないよう、複数のケースを合成し状況を抽象化しています。診断・治療の判断は必ず医療機関にご相談ください。
身体科病棟から、転棟してきた朝
Gさんは、市販薬を大量に飲んだ後、ご家族に発見されて救急搬送されました。身体科で点滴と治療を受けて命に別状はなくなり、次のステップとして精神科病棟に転棟してきました。身体は安定した。でも、心の方はこれから——という段階でした。
初対面の朝、Gさんは病室のベッドの上で、片膝を抱えて窓を眺めていました。表情は静かで、意外なほど落ち着いていました。「死にたかった」というよりも、何かをやり切って消耗した後の静けさのように、私には見えました。
転棟当日の面談で、ご両親は混乱と疲労の只中にいました。「なぜ気づけなかったのか」「まさかここまでとは」「これからどう接していいか分からない」——責任感の強い親御さんほど、自分を責める言葉が多くなります。私は最初の面談で「責めても良くなることはない、これから一緒に考えていきましょう」と何度かお伝えしました。
そしてもう一つ、大事なことをお伝えしました。ご両親が、本人が使っていた市販薬を救急車に持参してくれたこと。そのおかげで医療側の対応が早くできたのです。これは、後述する救急対応でも重要なポイントになります。
「死にたい」じゃなくて「もう感じたくない」
担当して10日ほど経った頃、Gさんが言いました。
「死にたかったわけじゃない。感じている全部を、一回オフにしたかった。あの夜は、それしか方法が思いつかなかった」
これは、思春期のオーバードーズで多く出会う本心です。「死ぬため」ではなく、「耐えがたい感情をリセットするため」。眠ってしまえば、目覚めるまでの時間、辛さから逃げられるという感覚です。
もちろん、結果として命を落とすリスクは大きい。本人にその意図がなくても、薬の量を間違えれば取り返しがつきません。市販薬といえども、大量に飲めば心臓・肝臓・腎臓に重篤なダメージを与えうるし、後遺症が残るケースもあります。「死ぬ気はなかった」=「安全」ではありません。この点は、ご家族にも本人にも繰り返しお伝えする必要があります。
Gさんはさらに話してくれました。「最近の半年くらい、ずっと苦しかった。学校でも家でも、誰にも気持ちが分かってもらえない感じ。SNSで似たような子のアカウントを見ていたら、いつの間にか同じ薬を買って、飲んでいた」。
「気がついたらやっていた」——この言葉が出るとき、計画的な意図というより、流れに乗って起きた行動だった可能性が高いのです。背景に長期間の抑うつや解離があったことを示唆しています。
「死にたい」「消えたい」「感じたくない」の境目
思春期のお子さまが口にする言葉は、その意味するところが微妙に異なります。
- 「死にたい」——死そのものを望んでいる場合と、強い苦しさからの逃げ場として口にしている場合があります
- 「消えたい」「いなくなりたい」——「自分の存在そのものをやめたい」「迷惑をかけている自分が嫌」という自己消失への願い。死ぬという行為ではなく、「いない状態」になりたい感覚です
- 「もう感じたくない」——感情の麻痺を望む。Gさんが語った状態です。「今のこの感じを一旦止めたい」という、強い苦痛からの避難欲求
- 「眠りたい」「ずっと眠っていたい」——これも希死念慮や「感じたくない」の表現であることがあります。「ただの眠気」と片付けないでください
意味は違っても、どれもが「専門家に繋ぐべきサイン」です。ご家族としては「どう違うのか」を細かく聞き分けるより、「どれかが出たら、すぐに医療機関に相談する」と決めておく方が実用的です。
ODが選ばれる背景
なぜ市販薬なのか。理由はいくつかあります。入手しやすいこと(ドラッグストアで未成年でも買える)、「刃物より怖くない」という心理的なハードルの低さ、そしてSNSでの情報の流通です。
背景には、うつ状態、不安症、適応障害、発達特性に伴う二次障害、解離、そして自傷の延長線上にあるケースなど、さまざまな精神症状があります。ODは「原因」ではなく「結果として現れた行動」です。その手前に、長い期間の苦しさが積み重なっていることがほとんどです。
だからこそ、ODそのものを止めるだけでは解決しません。背景にある症状の治療と、感情を扱う方法の獲得、そして環境の調整——この3つをセットで進める必要があります。
「死にたい」と打ち明けられたら——具体的な聴き方
打ち明けられたとき、ご家族の心は凍りつきます。動揺の中でも本人の言葉を否定せずに聴くために、具体的な聴き方を整理します。
【避けたい反応】
- 「そんなこと言わないで」——本人の言葉を封じる反応。次から「もう絶対親に言わない」と決めてしまいます
- 「お父さん(お母さん)が悲しいよ」——親の感情を背負わせる言葉。「自分が親を悲しませている」とさらに自責の念を持ちます
- 「みんな辛い時があるんだから」——本人の苦しさを矮小化する反応。「自分の辛さは大したことない」と感じ、より閉じます
【使いたい反応】
- 「そう感じるほど辛いんだね」——本人の感覚を否定せず、ただ受け止める。これだけで「ここでは話してもいい」と感じます
- 「話してくれてありがとう」——打ち明けてくれた行為自体に感謝を伝える
- 「もっと詳しく教えてくれる?」——「答えなくてもいい」とも伝えながら、本人が話したい範囲で聴きます
- 「一緒に専門家に相談してみよう」——本人を一人にせず、専門家に繋ぐ姿勢。「親に何か言われる」ではなく「親が一緒に動いてくれる」という安心が生まれます
これらは咄嗟には出てこないので、平時のうちに「打ち明けられたらこう答える」とシミュレーションしておくと、いざという時に動けます。配偶者と話し合っておくのも有効です。運転免許で習う「危険予測」と同じで、実際に起きてから考えるのではなく、平時に考えておくからこそ瞬間的に動けるのです。
救急対応の流れと、緊急連絡先
万が一お子さまのODを発見したとき、慌てないために対応の流れを記しておきます。
意識がない・呼吸が弱い場合。即座に119へ。「子どもがODしてしまった、意識がない」と伝えれば救急隊員が来てくれます。可能なら、飲んだ薬の空容器・残薬を救急隊員に渡してください。何を、どれくらい飲んだかが分かると、治療が早く始められます。
意識はあるが、ODをしたと打ち明けられた場合。「いつ、何を、どれくらい飲んだか」を確認しつつ、すぐに中毒110番に電話して指示を仰いでください。薬剤師が、その薬の量と時間で生じうるリスクを評価し、救急受診の要否を判断してくれます。
受診時の持参物。飲んだ薬の容器・パッケージ・残薬・お薬手帳・健康保険証・診察券・着替え・スマホ・充電器。可能なら、発見時の様子(時刻、状態、嘔吐の有無)をメモしておくと医療側に伝えやすいです。
救急外来では、身体の応急処置(胃洗浄、活性炭投与、点滴など)と並行して精神科コンサルテーションが入ります。「精神科の医師と話してください」と言われたら、それは標準的な流れです。身体的に安定したら、精神科病棟への転棟、または自宅退院(外来通院フォロー)が選択肢になります。
緊急連絡先
- 救急(119)——意識低下・呼吸異常・意識がもうろうとしている場合
- #7119——救急要否の相談
- 中毒110番(日本中毒情報センター)——大阪 072-727-2499(24時間、小児中毒対応)/つくば 029-852-9999(9〜21時、一般中毒対応)
- いのちの電話——0570-783-556(10〜22時)/フリーダイヤル 0120-783-556(毎日16〜21時、毎月10日は8時〜翌朝8時)
- よりそいホットライン——0120-279-338(24時間・無料)
- こころの健康相談統一ダイヤル——0570-064-556
- チャイルドライン——0120-99-7777(18歳までの子ども向け)
- 24時間子供SOSダイヤル——0120-0-78310
- あなたのいばしょチャット相談——ウェブサイトから24時間チャット
- 精神科救急情報センター——各都道府県に設置(「地域名+精神科救急」で検索)
※中毒110番の番号は変更がある可能性がありますので、最新情報は日本中毒情報センターのウェブサイトでご確認ください。
「呼ぶほどじゃないかも」と迷う段階で、まず電話相談を活用してください。電話の方が「これは119を呼ぶ案件」「これは様子を見て大丈夫」と一緒に判断してくれます。一人で抱え込まないことが、最大の予防策です。
家庭での薬の管理
Gさんのご家族が退院後に取り組んだことの一つが、家庭の薬の管理でした。
- 市販薬は必要分だけ買う(買い置きを減らす)
- 薬は大人が管理する場所に保管
- 処方薬は1回分ずつ手渡す
- 不要な薬は薬局で適切に廃棄
- 「隠す」のではなく「日常的に管理する」姿勢で
- 家族全員の薬(祖父母の処方薬含む)も視野に入れる
- 家庭にある「危険なもの」(鋭利な刃物・農薬・洗剤)も同様に管理を見直す
これは「信頼していない」のではなく、「再発のリスクを減らす環境調整」です。本人にもその意図を伝え、納得してもらった上で運用します。
「監視されているようで嫌だ」と本人が嫌がる場合は、「家族みんなの安全のために、薬は一箇所にまとめて管理することにした」「これはあなただけのルールじゃなく、家族みんなのルール」と伝える形がスムーズです。実際、ご家族自身の処方薬も同じ場所で管理することで「特別扱い」感を減らすご家庭もあります。
家庭外での購入を完全に防ぐのは不可能です。といっても「カバンを勝手に開けて確認する」のは信頼関係を壊すので避けます。本人の表情、言葉、生活リズムの変化——再発のサインを観察することで、気づける場合があります。
看護師として向き合ったこと
① 「もうしないで」を約束させない。これは意外に思われるかもしれません。けれど、守れない約束をさせることは、次に衝動が来たときに「約束を破った」という自責を上乗せするだけです。代わりに伝えるのは「またやりたくなったら、その前に誰かに言ってほしい」。行動を禁じるのではなく、行動の前に一手を挟んでもらう約束です。
② 感情を言葉にする練習。ODに至る子の多くは、感情を言語化する手前で行動に移してしまいます。「今どんな感じ?」「モヤモヤ?イライラ?悲しい?」と、日々の中で言葉のラベルを一緒に探していく。言葉になった感情は、行動に変わりにくくなります。
③ 医療+心理+環境のセット支援。薬物療法で症状を軽くする、心理療法で対処法を身につける、そして家庭・学校の環境を調整する。どれか一つでは足りません。三本柱で進めるからこそ、再発率が下がります。
入院中は「安全契約」という関わりも行います。これは「衝動が来たら、実行する前にスタッフに伝える」という約束を、本人と結ぶものです。禁止するのではなく、本人を安全を守る側のチームに入れるという考え方です。退院後は、この役割を家族が引き継ぎます。
入院と、「医療保護入院」という制度
入院中は、規則正しい生活リズムの中で、薬物療法・個人面談・心理療法・作業療法などを組み合わせて治療が進みます。面会や外出・外泊は、状態を見ながら段階的に許可されます。入院期間はケースによって大きく異なり、数週間から数か月に及ぶこともあります。
知っておいていただきたいのが「医療保護入院」という制度です。本人が入院を嫌がっても、指定医の判断と家族等の同意によって入院できる仕組みで、再発リスクが高い場合に選択されることがあります。
「入院を勧められたら断ろう」と決めつけず、医師の判断を尊重して話し合ってください。入院は「閉じ込め」ではなく「治療を集中的に進める場」です。命の危険がある段階では、安全な環境を確保することが最優先になります。
学校との連携——段階的な復学
第1段階:欠席期間中のフォロー。担任・養護教諭とは、本人の同意を得た範囲で情報を共有します。プリントの受け渡しなど、細くても学校とのつながりを保ちます。
第2段階:保健室登校・別室登校。教室に戻る前の中間ステップ。人の少ない時間帯から始めます。
第3段階:時間制限付きの教室登校。好きな教科だけ、午前中だけ、といった形で刻みます。
第4段階:通常登校(柔軟な形で)。完全に戻ったあとも、しんどい日は保健室に行ける体制を残しておきます。
学校に伝える範囲は、本人と相談して決めてください。「ODがあった」と細かく伝える必要は必ずしもありません。「体調を崩して入院していた」「配慮が必要な状態」という伝え方で足りる場合も多くあります。同級生への説明も、本人の意向を最優先に。
退院後の生活設計と、再発予防
退院直後は、「元の生活にすぐ戻さない」ことが鉄則です。生活リズムを整える、通院を続ける、無理のない範囲で活動を増やす。学校復帰も進路も、焦らず段階的に。
再発予防で重要なのは、「サインを本人と家族で共有しておくこと」です。眠れない日が続く、食欲が落ちる、部屋にこもる時間が増える、SNSの使用が急増する、言葉数が減る——本人自身が「これが出たら危ない」と自覚できていると、行動に移る前に助けを求めやすくなります。
そして、再発したときの手順を先に決めておくこと。「誰に連絡するか」「どこに行くか」を紙に書いて貼っておく。実際に再発したときに、慌てて判断しなくて済みます。再発は失敗ではありません。回復の過程では起こりうることとして、あらかじめ備えておくほうが安全です。
家族のケア——きょうだい・夫婦・親自身
きょうだいへの配慮を忘れないでください。ODという出来事は、きょうだいにも強い衝撃を与えます。年齢に応じて「お姉ちゃんは心の調子を崩して治療している」と説明し、きょうだい自身の不安を話せる場を確保してください。「あなたは大丈夫だから」と蓋をすると、後から不調が出ることがあります。
夫婦の温度差も生まれやすい局面です。片方は「甘やかしすぎたのでは」、もう片方は「もっと寄り添うべき」。この対立は、本人にとって家庭が安全でなくなることを意味します。方針の議論は、本人のいない場所で行ってください。医師や心理士を交えて話すのも有効です。
そして親自身のメンタルケア。「気づけなかった」という自責、いつまた起きるか分からない緊張、周囲に相談できない孤立感。これらを抱えたまま長期戦は戦えません。親自身がカウンセリングを受けることも、家族会につながることも、立派な治療の一部です。疲れているときの学びの取り入れ方は耳で読む育児書、匿名で相談したいときは電話・オンライン相談もご参照ください。
SNSと、市販薬乱用の社会的背景
市販薬の乱用は、近年の若年層で確実に増えている問題です。SNS上には、ODを美化したり、方法を共有したりするコミュニティが存在します。孤独な状態でそこに触れると、「自分だけじゃない」という安心感と引き換えに、行動へのハードルが下がってしまいます。
ただし、「SNSを取り上げれば解決」ではありません。本人にとってSNSは唯一の居場所であることも多く、断ち切れば孤立が深まります。現実的なのは、フォローの整理を一緒に考える、危険なコミュニティから離れることを本人と話し合う、そしてSNS以外に安心して話せる場所を用意することです。
ドラッグストア側でも販売規制の動きが進んでいますが、完全には防げないのが現状です。だからこそ、家庭での管理と、本人が助けを求められる関係が、いちばんの防波堤になります。
よくある質問
Q1. ODの兆候はありますか?
市販薬の空パッケージやレシートが増える、購入頻度が上がる、日中に強い眠気やふらつきがある、「消えたい」「感じたくない」という言葉が出る、SNSの利用時間が急増する。ただし兆候がまったく見えないケースもあります。「気づけなかった」ことでご自分を責めないでください。
Q2. 救急を呼ぶかどうか、どう判断しますか?
意識がもうろうとしている、呼吸がおかしい、反応が鈍い——この場合は迷わず119です。意識がはっきりしていても、飲んだ量が多い場合は中毒110番か#7119に相談してください。迷う段階で電話することが、正しい判断です。
Q3. 入院は必要ですか?
再発リスクの高さ、背景にある症状の重さ、家庭で安全を確保できるかによって判断されます。判断するのは医師です。入院を勧められたら、その理由を確認したうえで話し合ってください。
Q4. 学校にはどう伝えますか?
本人の同意を得た範囲で。詳細を伝える必要は必ずしもなく、「体調を崩して治療中」「配慮が必要」で足りる場合も多いです。ただし、学校で再発の危険がある場合は、養護教諭には状況を共有しておくほうが安全です。
Q5. 友達にはどうしますか?
本人の意向が最優先です。知られたくない場合は、その意思を守ってください。一方で、信頼できる友人が事情を知っていることが支えになるケースもあります。本人が決めることです。
Q6. 自分を責めてしまいます
ほぼすべての親御さんがそうおっしゃいます。けれど、ODは単一の原因で起きるものではありません。「気づけなかった」ことを責めても、本人の回復には何も寄与しません。自責でエネルギーを使い果たすより、これから何ができるかに向けてください。それが難しいときは、親御さん自身が相談機関を利用してよいのです。
Q7. SNSとの付き合いを変えさせるには?
取り上げるのではなく、一緒にフォローを整理するところから。「この人の投稿を見た後、どんな気持ちになる?」と問いかけ、本人自身に判断してもらう形が現実的です。SNS以外の居場所を作ることが、遠回りに見えて確実です。
Q8. もう一度ODしたらどうしようと不安です
その不安は当然です。だからこそ「再発したときの手順」を先に決めておいてください。誰に連絡するか、どこに行くか、緊急連絡先はどこか。紙に書いて貼っておく。備えがあると、不安は少しだけ扱いやすくなります。再発は失敗ではなく、回復の過程で起こりうることです。
今夜これだけ
今夜のうちに、家にある市販薬をまとめて本人の目に触れない場所へ移してください。量を減らしておくだけでも、衝動的な行動を防げます。
まとめ|「もう感じたくない」の声に、耳を澄ます
思春期のオーバードーズの多くは、「死ぬため」ではなく「耐えがたい感情を一時的に止めるため」に起きています。けれど、本人に死ぬ意図がなくても、命を落とすリスクは現実に存在します。「死ぬ気はなかった」は「安全だった」を意味しません。
ご家族にお伝えしたいことは3つです。①「死にたい」と「もう感じたくない」は近い場所にある——どちらが出ても、専門機関に相談してください。②家庭内の薬・刃物を整える——隠すのではなく、日常的に管理する。③長期的な治療と並行して、緊急時対応も準備しておく——連絡先を紙に書いて貼っておくだけで違います。
そして、打ち明けられたときの言葉。「そんなこと言わないで」ではなく「そう感じるほど辛いんだね」「話してくれてありがとう」。この一言が、次に助けを求められるかどうかを分けます。
Gさんは、時間をかけて感情を言葉にする練習を重ね、退院していきました。回復は直線ではなく、行きつ戻りつです。それでも、「もう感じたくない」の声に誰かが耳を澄ませてくれた経験は、確実にその子の中に残ります。
診断・治療の判断は必ず医療機関にご相談ください。緊急時は、迷わず119または上記の相談窓口へ。
参考にした公的情報・一次情報
この記事の制度・医療情報は、以下の公的情報・一次情報を2026年8月15日に確認しています。制度の運用や個別の医療判断は、学校・自治体・医療機関などへご確認ください。
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著者プロフィール
星野レン(ほしの れん)
2018年4月から看護師として勤務(2か月のブランクあり)。2021年4月から児童思春期精神科病棟に携わっています。不登校・発達障害・自傷・オーバードーズなど、思春期のメンタル不調を抱えたお子さまとご家族のケアに従事。臨床現場で出会った子どもたちと家族の言葉を、できるだけそのままの温度で伝えることを大切にしています。
免責事項
本記事は児童思春期精神科での臨床経験をもとにした一看護師の視点をまとめたものです。医療的な診断・治療方針を示すものではありません。記事内のエピソードは、本人および関係者が特定できない形に配慮し、複数のケースを合成するなどして紹介しています。オーバードーズは専門的な評価と治療が必要な状態です。疑われる場合は必ず医療機関を受診してください。緊急時(意識障害・呼吸異常・希死念慮など)は、迷わず救急(119)や各種相談窓口にご連絡ください。相談窓口の番号・受付時間は変更される場合がありますので、最新情報は各機関の公式サイトでご確認ください。


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