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「うちの子、自分に自信がないみたい」
「失敗を怖がって、何にも挑戦しようとしない」
「どうしたら自己肯定感を育てられるのだろう」
子育て本や教育情報で「自己肯定感」という言葉を目にする機会が増えました。でも、具体的にどう関わればいいのかとなると、なかなか難しいものです。
私は児童思春期精神科の病棟で5年間、自分の価値を見失いかけた子どもたちと多く関わってきました。その経験から感じているのは、自己肯定感は「たくさんほめる」ことでは育たないということです。今日は、現場で大切にしてきた声かけの工夫を3つお伝えします。
自己肯定感は「ほめる量」ではない
「子どもをたくさん褒めましょう」とよく言われます。確かに褒めることは大切ですが、「すごいね」「えらいね」を連呼することが自己肯定感を育てるわけではないのです。
病棟で出会った子どもたちの中には、テストで100点を取ることでしか自分の価値を感じられない子や、親に褒められなければ動けない子もいました。つまり、「結果を褒められる関わり」だけを繰り返すと、子どもは「できる自分には価値がある、できない自分には価値がない」という危うい考え方を持ってしまうのです。
本当の自己肯定感は、「ありのままの自分でいい」と感じられる土台。この土台をつくるには、声かけの質を少し変える必要があります。
現場で大切にしてきた3つの声かけ
① 結果ではなく、プロセスを言葉にする
「100点すごい!」と結果を褒めるのではなく、そこに至るまでの過程を具体的に言葉にします。
- × 「テストで100点すごいね」
- ○ 「毎日コツコツ勉強してたの、見てたよ」
- × 「絵が上手だね」
- ○ 「ここの色の塗り方、じっくり考えて選んだんだね」
プロセスを認められた子どもは、「結果が出なくても、自分の頑張りには意味がある」と感じられるようになります。次に失敗したときも、立ち直りが早くなるのです。
② 「頑張ったね」より「見てたよ」
「頑張ったね」もいい言葉ですが、病棟では「ずっと見ていたよ」という言葉をより大切にしていました。
「頑張った」は評価の言葉で、時に子どもに「もっと頑張らなきゃ」というプレッシャーを与えることがあります。一方「見てたよ」は、評価ではなく、存在を受け止める言葉です。
- 「最後まで諦めなかったの、見てたよ」
- 「ここで悩んでたね。ちゃんと見てたよ」
- 「うまくいかなくて悔しかったよね。全部見てたよ」
「見てもらえている」という感覚こそ、子どもの心を支える一番の栄養です。
③ 失敗を否定せず、受け止める
自己肯定感の土台をつくる上で、失敗した時の声かけが一番大切と言ってもいいかもしれません。
子どもが何かに失敗したとき、つい「だから言ったでしょ」「次は頑張ろう」と先回りしてしまいがちです。でも、まず必要なのは励ましではなく、「悔しかったね」「悲しかったね」と気持ちを受け止めること。
失敗しても「大丈夫、それでもあなたは大切」と伝わる関わりを積み重ねた子どもは、失敗を恐れずに挑戦できる子に育っていきます。
日常の中でできる、小さな工夫
- 朝と夜の挨拶を丁寧に:「おはよう」「おやすみ」だけでも、「あなたを大切に思っているよ」のメッセージに
- 「ありがとう」を積極的に伝える:お手伝いの大小に関わらず、感謝を言葉にする
- 子どもの話を遮らずに最後まで聞く:話を聞いてもらえる経験が、自分の存在の価値を実感させる
- 兄弟や他の子と比べない:比較の言葉は、子どもの自己肯定感を一番深く削る
気をつけたいNG声かけ
無意識に使いがちで、でも自己肯定感を傷つけやすい言葉があります。
- 「どうしてそんなこともできないの」
- 「〇〇ちゃんはできるのに」
- 「泣くなんて恥ずかしい」
- 「あなたのために言ってるの」
完璧に避けるのは難しいですが、「使ってしまったな」と気づいた時に「言い過ぎちゃった、ごめんね」と伝えるだけで、子どもは救われます。親の完璧さより、気づき直す姿こそが、子どもに大切なメッセージを届けてくれるのです。
おわりに|「見ていてくれる人がいる」が、心の土台になる
自己肯定感は、一日で育つものではありません。毎日の小さな声かけの積み重ねが、少しずつ、子どもの心の土台をつくっていきます。
現場で出会った子どもたちを見てきて感じるのは、「誰か一人でも、ちゃんと自分を見ていてくれる大人がいる」ことが、その子の人生を支える大きな力になるということです。その一人は、きっと親御さんです。


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