先に確認|いま安全を保てない場合
意識や呼吸に異常がある、大きなけがをしたなど、救急の対応が必要な場合は119番へ連絡してください。暴力などで本人や周囲に危険が迫り、警察の緊急対応が必要な場合は110番です。小児科と児童精神科のどちらかを決めるために、緊急の対応を遅らせないでください。厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」/警察庁「ご意見、各種相談・情報提供等」
自殺の危険が感じられるときは、安全を確保できる範囲で一人にせず、切迫している場合は速やかに緊急の支援を求めます。厚生労働省も、危険が迫っていると感じた際には専門家へ速やかに相談することを案内しています。厚生労働省「『消えてしまいたい』というサイン」
この記事の要点
- 腹痛や頭痛など身体の不調があり、受診先に迷う場合は、かかりつけの小児科が相談先の一つになります。
- 子どものこころの問題に対応する小児科もあります。診療科の名前だけで受診先を決めず、年齢や症状に対応しているか確認します。
- 自傷・他害で日々の生活が成り立たなくなったときは、受診や相談を先延ばしにしないでください。
- 生活が成り立たなくなるまで待つ必要はありません。普段との違いや本人のつらさも相談の手がかりです。
児童思春期精神科病棟で働く看護師の星野レンです。私は、保護者から受診先について直接相談を受ける機会はありません。この記事では、勤務先で医師から示されている方針と、看護師として受診を先延ばしにしないでほしいと考える状況を、公的資料による一般的な案内と分けてお伝えします。
この記事は個別の診断や緊急性を判定するものではありません。受診先や受診のタイミングは、実際の症状を医療機関へ伝えて相談してください。
勤務先で示されている方針|身体の病気の可能性を確認する
勤務先では、受診について職員が医師に確認する際、「小児科で身体の病気の可能性を調べてから受診してほしい」という方針が示されています。私が保護者へ直接案内してきた経験ではなく、勤務先での方針としてお伝えできることです。
これは、すべての医療機関に共通する受診条件ではありません。また、すべての身体の病気を完全に否定できるまで、こころの相談をしてはいけないという意味でもありません。何を調べる必要があるのかは、診察した医師の判断を確認してください。
小児科に相談できること、児童精神科に相談できること
小児科は子どもの病気全般を診る診療科です。身体の不調について相談でき、一部には子どもの心身症や発達の問題を専門にしている医療機関もあります。厚生労働省も、不登校やストレスに関連する身体の不調について、小児科に相談する選択肢を示しています。厚生労働省「こころを専門に診る病院の種別」
児童精神科は、子どものこころの症状や行動、発達に関する困りごとを相談する先です。ただし、対象年齢や対応できる症状は、受診を考えている医療機関に確認してください。「小児科なら身体だけ」「児童精神科ならどんな相談でも対応できる」と名前だけで決めないことが大切です。
精神科や心療内科という名称でも、子どもを診るかどうかは確認が必要です。厚生労働省は、医療機関ごとに専門分野や診療体制が異なるため、電話などで問い合わせることを案内しています。厚生労働省「医療機関の選び方」
小児科で大きな異常が分からなかったとき
検査で異常が見つからなかったことだけを理由に、家庭で「気のせい」「こころの問題」と結論づけないでください。不調が続く場合は、診察した医師へその後の様子を伝え、次に必要な診察や相談先を確認します。
身体の症状と一緒に、眠り方、食べる量、学校や家庭での様子も伝えてください。厚生労働省も、受診時にはこころの症状だけでなく、身体の症状や睡眠・食欲を整理することを勧めています。厚生労働省「受診にあたって」
私が受診を先延ばしにしないでほしいと考えるとき
看護師として、自分を傷つけたり、他の人を傷つけたりすることで、実際に日々の生活が成り立たなくなっているときは、受診したほうがよいと考えています。生活が成り立たなくなった、その時点で、受診や相談を先延ばしにしないでほしいです。
ただし、ここを「生活が成り立たなくなるまでは待ってよい」という目安にはしないでください。厚生労働省は、睡眠・食欲・体調・行動が普段と違うことを相談の手がかりに挙げています。本人のつらさや生活の変化に気づいた段階から、専門家に相談できます。厚生労働省「こころのSOSサインに気づく」
自傷・他害が起きている場合は、予約の窓口にもそのことを伝え、今の状態でいつ・どこに受診するべきかを相談してください。すでに通院している場合は、通院先へ変化を伝えます。命や身体に差し迫った危険があるときは、通常の予約日を待たず、冒頭の緊急対応を優先してください。
受診先を決める前に、電話で確認すること
「何科が正解か」を家族だけで決めきる必要はありません。かかりつけ医がいれば、症状と困りごとを伝え、相談先を確認します。児童精神科への受診を考えている場合も、小児科の受診や紹介状が必要かを窓口で確認してください。
- 子どもの年齢と、いま困っている症状に対応しているか。
- 初診の予約が必要か、紹介状や事前の小児科受診が必要か。
- 現在の症状で予約日まで待てるか、悪化した場合はどこへ連絡するか。
- 本人が受診を嫌がる場合、保護者だけで相談できるか。
予約日までの待ち時間や、紹介状による対応は医療機関ごとに確認してください。紹介状があれば必ず早く診てもらえるとは限りません。厚生労働省「医療機関の選び方」
相談するときに伝える短いメモ
電話や診察では、分かる範囲で次のことを伝えると、困りごとの整理に役立ちます。
- いつから、どのような変化があるか。
- 食事・睡眠・身体の不調など、普段との違い。
- 家庭や学校で、何が難しくなっているか。
- 自傷・他害や「死にたい」という言葉があるか、いま安全を保てているか。
- これまでの受診や検査、飲んでいる薬。
すべてを書きそろえてから連絡する必要はありません。急いで相談したいときは、いま起きていることを先に伝えてください。受診の準備は初診前のチェックリストでも整理しています。
医療機関が決まらないときの相談先
地域の保健所・保健センター・精神保健福祉センターなどでも、こころの相談先について案内を受けられます。学校での困りごとは、養護教諭やスクールカウンセラーに共有する方法もあります。厚生労働省「困ったときの相談先」
これらの窓口への相談は、緊急の診察や救急対応の代わりにはなりません。安全を保てない場合は、窓口の開く日を待たずに対応してください。
看護師視点でのまとめ
私の勤務先では、受診について職員が医師へ確認する際、小児科で身体の病気の可能性を調べてから受診してほしい、という方針が示されています。この経験からお伝えできるのは、こころの不調と決めつけず、身体の病気の可能性も医師に確認してもらう視点です。
そして、自傷・他害によって生活が成り立たなくなった時点では、受診を先延ばしにしないでほしいと考えています。そこまで待つ必要はありません。診療科の名前だけで判断せず、いま起きていることを医療機関へ伝え、必要な相談や診察につないでください。
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参考資料は各段落のリンク先に掲載しています。情報確認日:2026年9月20日。


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